2008年フォードエクスペジション

今月の愛車診断車両は2008年新車並行輸入のフォードエクスペジションだ、オーナーの栗山さんが3人目のオーナーとなる。販売店の話では最初のオーナーはこのエクスペジションでよく海に出掛けたそうだ。二人目のオーナーは理由は分からないが乗り出して1000km足らずで手放した歴があると話していたらしい。点検時の走行数は約58000kmと言う好条件の車両ではあるが一度自分の目で状態を確認したく応募したと聞かせてくれた。アメ車は壊れると言われているけどそれは販売店で並べられている時から壊れている車を購入するんだから壊れて当たり前、中古並行車と新車並行車の違いを分かってもらえる診断となるはずである。4WDのハブベアリングが50000kmくらいでガタつくはずもないが決め付ける事は危険なので一応チェック。ブレーキシシテムも走行数相応だろうと思われる状態で特に交換をしなければいけないような箇所もない。サスペンションシステムのボールジョイントやショックアブソバー、コントロールアームブッシュも良い状態だ。最初のオーナーはこの車でよく海に行っていたらしいと言う情報から色々と想像ができるものである。波乗りのように車体に荷重が掛からない使用なら良いがジェットみたいな乗り物を牽引していたとしたら50000kmだし新車並行だしと安心してはいられないのである。フロントサスペションのストラットアッパーマウントなどは荷重により切れたり傷みが早まったりするので注意して点検した箇所だ。エンジンアンダーの点検ではエンジン自体に問題となる箇所はなかった。アクスル系統もフロントデフサイドシールにギヤーオイルの滲み跡が見られた程度だった。目視出来る範囲で下周りも点検をしたが恐れていた錆もなく本当に良い状態である。リヤーの点検ではリヤーブレーキローターに僅かだが浅い線状の傷が入っている程度で気にする程ではない、ブレーキホースの状態は良いのだがキャリパー着く角度がキツイように見えるがこれで正常なのだろうか。サスペンションシシテムで、普通ならいじる事が少ない箇所のナットやボルトに工具を使った跡が残っていた事凄く気になりますが異常って事ではないんで気にしないでください。 エンジンルーム内もすごくきれいで手を入れられていたように見えるのでさらっと流すように終わってしまいそうだったが幾つか気になる箇所が見つかった。エアーフイルターの汚れとメカニカル的な問題ではないが普通なら塗装はされていない部分に塗料が付いていたりする事だ。まぁこの辺は証拠もないので使用に関して異常がなければ気にするのはやめましょう。クーリング系統に使われているホースを摘み硬化していないか点検を行う。IGNコイルなどからスパークがリークしていないかなどもチェックを行う。インテークエアーダクトの途中に分けの分からぬ物が取り付けられているしかも電気配線まで繋がれている一体なんでしょうかこれは?ドノーマルで良い状態なのに勿体ないですねこれは。いい加減な配線なのでショートでもしたら大変な事になります。エンジンコンピュターチェックも異常が入っている事もなく何箇箇所か気になる箇所を除けば本当に良い状態の車両です。前オーナーのメンテナンスも行き届いていたことはもちろんですがやはり新車並行車と言う事から良い結果が出たのだと思います。

 

オーナーが気になっている事

購入したばかりなので何も分からずこの車はお買い得だったのかそうでなかったのか知りたい。

1ナンバーしたいが出来るのか?

 

「大変に買得な車だったと思いますよ。乗るだけではなくエンジンルームを点検したり車両の下周りを覗いたりして日常のメンテナンスをして行ってください。」

「1ナンバーに出来るかって件ですが出来ます乗車人数現行よりは減ると思いますが」

 

修理屋が気になった所

「錆が出ている箇所や塗装されている箇所がどう考えてもつじつまが合わないのです、証拠がないので文字にして書く事はできませんがもしかして.とも思いました。」

 

 

点検を終えて。

冒頭にも書いていますが、アメ車は壊れる、苦労させられる、お金が掛かる、と悪い印象ばかりのようですが中古車並行車であってもオーナーと修理工場がちゃんとしたメンテナンスとリペアーをしていれば悪い評判も出ないのにと思う。販売者側にしてみれば「儲け」が先になってしまいその先にある「儲け」を自ら無くしているんじゃないかと思う。

今月の車両は久々の五重丸、周りに花びらでも書き足したいくらい良い車でした。

 



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WDのフロントハブベアリングはボールベアリングを使用しているので比較的寿命が長いパーツの部類に入る。

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ブレーキパットの残量も残っているしローターの表面の状態も良いようです。パットとキャリパーが擦れる面に給油をすればさらに良くなるはずです。

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ブレーキホースにも経年劣化は見られず良い状態ですがあと1年程で5年間の使用になりますからその時期が来たら交換しましょう。

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見るからにコントロールASSYとなりそうなアッパーボールジョイントですよね。パーツは高価なのでガタつきがなくて本当によかったです。

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新品みたいなコントロールアームブシュに驚きました。この良い状態で50000kmとは本当に驚きです。

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ステアリングリンケージタイロッドエンドはおかしな形をしていますよね。比較的新しい車両を観察す良い機会になりました。

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コントロールアームロアーボールジョイントにもガタはなく良い状態でした。ロアーボールジョイントも交換時にはASSYになりそうな感じですね。

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ストラットサスペションタイプのアッパーマウントは目視では良いように見えても隠れている箇所が傷んでいる場合が多い。

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フトント側の点検でフロントデフサイドオイルシールだけが悪くなっていた。悪いと言っても滲み程度なので様子を見る感じですね。

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ガタつきが出ていないか点検しているのはステアリングのラックブッシュです。ここが悪くなると車は真っ直ぐ走らなくなります。

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デフケースのブッシュも確認しないといけません。車重を支えている箇所なので走行数や年式に問わられず点検する必要があります。

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エンジンで作り出された力をミッションに伝達し車は走ります。エンジンの回転する力を受けるミッションマウントは重要な役割をしています。

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フロアーパンには錆一つ無いのがすごいですね。ブレーキパイプもまるで交換したてのようです。できれば錆がこない内にアンダーコートなどを塗るといいですね。

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リヤーブレーキホースも良い状態なのですが一つ気になる部分がありました。交換時はフロントと同じ1年後で良いと思います。

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気なった部分と言うのはこの角度です。バウンドして車両が浮き上がるとホースは引っ張られるので無理が出てくると思うのですがどうでしょうか。

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リヤーブレーキローターの表面に線傷は入っていますが気にする事はないでしょう。パットが磨耗して交換する時に再度見直して交換を決めれば良いと思いますよ。

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画像では伝わり難いと思いますがシャフトのネジ山が他の箇所と比べると異常に錆ています、朽ち果てる前に処理をして給油した方がいいですね。

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リヤーのアライメントも調整できるシステムになっているようです。ブッシュとジョイントに異常がないか確認をします。

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リヤーハブを支えるロアーリンクロッドブッシュの点検をしています。他の部分が良くてもこれが悪くては快適な走行は望めません。

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リヤーサスペンションもストラットタイプを採用しているようですね。外のほこりや雨水にさらされているのでマウントが早く傷んでしまう事があります。

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リヤーコントロールアームを取り付けているナットに道具をかけた跡が残ってします。増し締めや点検にしては力を入れて回した跡のように見えます。

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プロペラシャフトユニバーサルジョイントに異常はないのですが塗装跡が気になりますよね、なぜなんでしょうか。

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デフを支えるトルクアームブッシュを点検する。車が進もうとした時に発生する路面とタイヤ間の摩擦を吸収するパーツです。

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エンジンアクセサリー類に問題はないがクランクシャフトプーリーダンパーの錆色が気になります、黒く塗装すれば見栄えが良くなりますね。

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フロントショックアブソーバーボルトが異常に錆ていますね。この車は所々このような「不思議」な錆の発生原因が気になりますね。

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エンジンクーリングシステムのホースやヒーターホースなども硬化もなく良い状態でした。業者さんが洗って艶出しをしていないのも正直でいいですね。

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エアーフィルターの汚れは燃費の悪化エンジン不調に影響します。まめに点検をして汚れがひどい時は交換しましょう。

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インテークエアーダクトに貼り付けられている“これ”はなんでしょうか。燃費向上、錆防止?知っている読者がいたら教えてください。

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エンジン、オートマッチクトランスミッションなどの、オイル、フリュード類はきれで量も大丈夫のようですね。

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エンジンをスタートさせアクセサリー類からノイズが出ていないか点検をします。特に異音もなくたいへん良い状態です。

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エンジンフードの左右の先端部分の閉まり具合を調整するゴムが何故かボディーと同色に塗装されてしまった理由が気になりますよね。

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エンジンコンピュタースキャンでも当たり前のようにトラブルコードは履歴、現行共に入っていなかった。

 

 愛車診断を受けてくれるオーナーのほとんどが、個人売買で買った、欲しかったアメ車が売っているのは

一店舗だけでお店を選べなかった...とかいろいろです。

安心して乗るやめに愛車診断で車の状態を把握しておくと安心ですね。

 


1993エコノライン愛車診断

車種:1993年 フォードエコノライン 中古並行

購入:1994年  

価格:32万円 某オークション(業者)

オーナーが気になっている所。

特に危機感はないが、やはり全体的な状態を把握しておきたい。

 

命に関わるような箇所は修理をしたい。

 

さて今回はどんな結果になるんでしょうかね。


今回は時代を逆行するアメ車好きの愛車を点検しましょう。

安物買いのなんとか、と言うがこれほどその王道を行くオーナーは他にはいないだろう。

何年か前に登場して頂いた時はGVANだったが、最近GVANを手放しエコノラインに乗りかえた。

 

購入の経緯などは紙面に出す訳にはいかないので勘弁して欲しい、決して質流れや盗難車ではない事だけは確かですと言っておく。

筆者も現在は95エコノに乗っているので筆者のより2年古いエコノに興味深々である。

 

点検前の予想ではあるがフォード車の状態ってのは経験してきたまとめとして、超極上物か困ったちゃんのどちらかだ。

 

さて今回のエコノはどちらなんでしょうか、結果が楽しみだなぁ~。

ハブベアリングにガタは無いが無さ過ぎな感じである、

ベアリングは走行中熱くなり膨張するので多少の遊びが無くっていけない。

 

ブレーキキャリパーの動きが悪いとも考えられるのでキャリパーピストン

を押し込み回転させるがやはり少々回転が重いのでベアリング調整を行った方が良いだろう。

 

キャリパーを押し込む時にかなり力が入ったのでキャリパーはオーバーホールをした方が良いだろう。

ブレーキホースはおそらく新車時からのホースだと見える、早急に交換をした方が良いように見えた。

キャリパーASSYをキャリパーマウントに固定するためのマウントピンも危うい状態だこれも交換ですね。

 

サスペンション系統はロアーボールジョイントに大きなガタがあり要交換のレベル。

この年式のエンジンの弱点としてクーラントリークがあげられる。

エンジンの構造からして弱点になっても仕方ないとは思うがこのエコノも弱点を突かれているようだ。

 

エンジンアンダーの点検ではエンジンオイルリークとATFリークが見られた。

年式から思えばこの程度のリークは起こっていて普通だろう。

リヤサスペンションシステムには問題はなし。

 

ブレーキシステムでは新車から分解点検を行った事がないのか!、

生産時にドラムが外れないように止めるファスナーがきれいに付けられたままだった。

ファスナーを外し中身を点検。リヤーブレーキウイルシリンダーからブレーキフリュード漏れが発生していた。

 

ラニングを押さえているハードウエアーも錆で朽ち果てそうな状態だった。

エンジンルーム点検ではラジエーターロアーホースバンドの締めがあまいのかクーラント染みが出来ていた。

 

その他の補機類に異常はなさそうだ。スキャナーをリンクさせ、

KOEO(キーオン、エンジンノットラニング).KOER(キーオン、エンジンラニング)

の二種類のダイアグノーシスを行ったが異常は見られなかったが、

クラスタメーター内にSRSワーニングランプがピカットと光っている。

 

この年式のPCMはボディーコントロールとリンクされていないので

SRS専用のスキャナーをSRSダイアグコネクターに取りつけトラブルコード

を読み取る事にした。後日談ではあるがサイドドアーが車内からも車外からも

開かなくなってしまいガレージに駆け込んできた。

 

取り合えず開くように細工しその場はしのいでもらう事にした、パーツが無ければ何も出来ないのです。

ドアーの故障も含め予算に合わせた優先順位を決め整備を行う事になった。

ドアー開閉の修理でどこを削るか頭を悩ます事になったのは言うまでもない事である。

 

 

診断を終えて。

修理屋が気になった所。

また、買い替えたの!今度は大丈夫でしょうね?

外見はとてもきれいですが肝心の中身はどうなのか、

ガレージのカスタマーと言うより友達と言った方が良いかもしれない

 

変態オーナーさんとエコノが気になった、その物なのです。

 

石橋を叩いて渡るくらい慎重に吟味し購入に踏み切るオーナーもいれば、感性だけを信じて大きな賭けをするオーナー。どちらも私的には好きだ。アメ車に乗る者にわるい人間はいないと私は感じている。今回は点検云々よりアメ車乗り達と常に触れ合う事ができる私は実に幸せ者だ、アメ車乗り全てのオーナーに感謝をしたい、そう思った診断でした。

 

結果は、ファクトリー入り決定です。

 

 

 

何時もならガタがありますね、となるのだが今回はガタが無さ過ぎますねとなった。キャリパーもひきずり気味のようなので一掃しちゃいましょう。

ブレーキホースのパイプ部分は錆でヤスリのザラザラに劣化している、ピンホールができないうちに交換しちゃいましょう。

なんとも頼りなさそうなキャリパーロックピンだ。曲げられた鉄板の間にあるラバーが硬化し破損したらキャリパーは外れてしまうので交換しましょうね。

フロントサスペンションロアーボールジョイントに大きなガタがあるようだ。カップから抜けちゃう前に交換しましょうね。

ハブベアリング、ブレーキ、サスペンションと点検を行ってきたがあまりよい結果ではないよう

ですね、この後ステアリングリンケージや車体下回りの点検へと進めていくのですが続きは

次回に。

更新前ですが、画像抜きのキャプションだけ書いておきますね、続きをお楽しみに。


更新予定キャプション:画像番号の隣の記号(◎)良い状態(B)交換した方がいいね(X)危険です。

                    (X)が多いほど危険度が高い。

 

0009:X

何時もならガタがありますね、となるのだが今回はガタが無さ過ぎますねとなった。キャリパーもひきずり気味のようなので一掃しちゃいましょう。

0011:XXX

ブレーキホースのパイプ部分は錆でヤスリのザラザラに劣化している、ピンホールができないうちに交換しちゃいましょう。

0022:XXX

なんとも頼りなさそうなキャリパーロックピンだ。曲げられた鉄板の間にあるラバーが硬化し破損したらキャリパーは外れてしまうので交換しましょうね。

0013:X

フロントサスペンションロアーボールジョイントに大きなガタがあるようだ。カップから抜けちゃう前に交換しましょうね。

0028

次々と出てくる不具合箇所にさすがのオーナーも心配そうに眺めていた。画像に吹き出しを入れたくなってしまう一面でもある。

0015:◎

お約束のラディウスアームブッシュは純正のラバー製品が使われていた、交換した形跡は見られない事からやはり純正ラバー製品は寿命が長いと確信できた。

0018:X

ホース類はラバー製品なのでたまに増し締めをしないと伸びて柔らかくなったホースの切り口からクーラントが滲みだしてしまうのです。

0027:X

クーリングシステムウオーターポンプに使われているベアリングの熱放出穴からクーラントが滲みでた跡が残っていた。

0025:B

エンジンクランクシャフトリヤーオイルシールからのオイル滲みがある、年式からしてこのくらいの滲みは仕方ないだろう。

0021:B

大きなオートマッチクトランスミッションからは、オイルパンガスケットからとマニアルシャフトオイルシールから滲みが発生していた。

0023:◎

大きくて重たいオートマッチクトランスミッションを支えるミッションマウントは重要だ。劣化で硬化していたり切れていたら交換したほうが良いぞ。

0034:XXX

リヤーウイルブレーキシリンダー内部は錆でいっぱいだ、この状態からオーバーホールは無理があるのでASSY交換の方が得策だろう。

0041:X

21年も使っていればいくら丈夫なハードパーツでも劣化はするだろう。ライニングを取り付けているハードウエアーは錆が凄いので交換しましょう。

0036:◎

リヤーサスペンションは使用年数の割にはしっかりしていましたね。あと何年間はこのままで行けるんじゃないでしょうか。

0038:C

パーキングブレーキケーブルが異常なまでに錆びているようだ。何かをトーイングしていて海水にで浸かる機会が多かったのかな?

0040:◎

プロペラシャフトユニバーサルジョイントはしっかりしていましたね。錆もなくデフもいい感じじゃないですか。0047

エンジンルーム点検に入りましたが、エコノ程狭くて点検しずらい車輌は他にはないだろう、ライトの光を頼りに細部に渡り点検を行っていく。

0050:X

うお~すごい汚れたエアーフィルターですね。燃費工場、出力再生のためにも交換しましょう、エアーでシュ~ットやちゃダメですよ。

0056:X

PCM診断時キーをONにするがONにした瞬間ピカッと光るSRSワーニングランプ。色がオレンジなので見た目あまり危機感は感じられないですよね。

0051:C

エンジンランにて補機類の点検を行う。ウオーターポンプから少々ノイズが聞こえてきていますね、早めに交換しましょうね。

0058

PCMスキャンは、KOEO、KOERと二種類のダイアグノーシスを行う。どちらも異常なくパスした。

0059

懐かしいですね、カセットテープなんて。でもアメ車っていつまでもこのパターンが多かったような気もしますが。何年頃からCDになったんでしょうか。

0048

OBDシステムになっていないコンピュターシステムのダイアグノーシスコネクターは統一されていないのでコネクター探しも一苦労する。

0061:c

SRSワーニングはSRS、ABS、専用のダイアグノーシススキャナーを使いダイアグノーシスを行う、どうやらエアーバッグ用のSRSコイル不良のようだ。